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読書レビュー 破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 NewsPicks Book

これは!と思う本に出会ったので、ご紹介します。

オシャレめがねチェーン店オンデーズ。
実は不良債権の山だったオンデーズを買収し再生した、田中社長の物語。実話に基づく小説。
チーム再建とメンバーを引っ張るリーダーの心意気を肌で感じられます。ピンチな時は何度でも読み直したい本です!

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語


田中社長がオンデーズを買収した理由

元々田中社長は、オンデーズの売却先仲介が仕事でした。
当時のオンデーズは、2.4トントラックに1.9トンの砂利を乗せて走っているようなもの。つまり、積載容量は結構あるけど、ゴミという不良債権もたくさん積んでいたのです。

そんな会社を売るために、田中社長はオンデーズ再建計画も一緒に提案していました。
その一環で田中社長は、めがねで世界一、日本一のメガネ販売店が君臨していないことに気づき、なれるチャンスがあると感じました。

自分の描いた再生プランを実行すれば、世界一のめがね店にできる。

そう思った田中社長が、自分でオンデーズを買収したのです!びっくり(°_°)

オンデーズのZARA戦略

安いめがねチェーン店はJINSなどなど、たくさんあります。
その中でオンデーズを光らせるために田中社長が考えたのが「ZARA戦略」。アパレル雑貨としてめがねを売る戦略です。
すなわち、安さは変えずに品質、ファッション、流行性の追求。

商品のめがねと、近いけど別の業界で売れているZARAの特徴をかけ合わせる戦略。
この考え方、どの業種にも応用が効きそう…!

現場スタッフの意識改革

いい会社作りには、不良債権の回収が必要。
そのために田中社長は現場を重要視しました。

例えば、働いているスタッフたちの生の声を聞きに、全国店舗を回って店員全員と飲み会。
店頭を回り、スタッフの声を聞いて、夜は本音で話す。そして深夜に車移動で次の店舗へ…

社長の店舗回りと聞くと、少し店舗の様子を見て、夜は社長をお膳立てする飲み会、を想像しがち。でも田中社長は違いました。

現場に背中を見せる

お店に立っているだけの店長に対して「チラシを店頭で配ってお客様を呼び寄せなさい」と指示した時のこと。
店長が渋り抵抗した時、田中社長は怒るのではなく、自らチラシを持って店頭へ。
「オンデーズです!めがねが5000円から15分で作れます!」とチラシを配りながら呼び込みし始めたのです。

指示したことを、実際にやってみせる。

大事だけど忘れがちで、できそうだけどできないこと。
田中社長はそういうことの積み重ねで、オンデーズを再生しました。

明るく前向きに話す

経営状態が悪いと「あいつが悪い」「ここがダメだ」と言いがち。
そんな時でも、田中社長は明るく前向きに話しかけていたそう。

トップが前向きだと、スタッフも前向きになれますよね。
信頼関係も築きやすいし、いいことだらけ。

明るく前向きに、うつむきがちになりそうな時こそ心がける必要がある。
これも当たり前だけど実行するのが難しい。
当たり前を愚直に実行する。この本から再認識しました。

スタッフの本音を引き出すには

店舗に社長が来ても、スタッフは本音が言いづらい…。あるあるだと思います。
その本音を引き出すのが、田中社長は本当に上手。そのポイントがいくつも読み取れました。

たとえば、

  • 信頼感を得るのも上手い
  • 視線の高さをスタッフに合わせる
  • 背中を見せる
  • 最後まで飲みにつきあう


そして極め付けは「この人だったら会社を変えてくれる!」というカリスマ性。

  • 田中社長が店舗で感じたアイデア、気づきはすぐ発信する。
  • スタッフからの意見聞き、変えられることはすぐ変える。
  • すぐ変えられないことも、翌週の経営会議にかける。
  • 毎日社内ブログに改革の様子を投稿する。

この社長なら絶対やってくれる!
社長が来る時にこれを言おう!という気がわいてきますよね。

スタッフと信頼関係を築く

上に書いたことをやっていれば、スタッフとの信頼関係は容易に築けると思います。
しかしその基盤となる考え方がこちら。

コストカットの前提に、人員削減と給与カットは絶対しない。

人は絶対に守る、という強い意志。
人件費を切るのは簡単ですが、離れた心は戻って来ない…
会社再建には、スタッフの協力が必要不可欠。
今まで培ってきたスタッフの知識や技術は、絶対に捨てたくないし、捨てられない。

これも当たり前ですが、やってしまいがちなこと。
最優先事項を決めて、それは絶対に守る。
この心意気があってこその復活だったのです。

CFO奥野さんへの全幅の信頼

信頼関係を築くことに加え、田中社長の右腕である財務関係を一括して担当しているCFO奥野さんへも全幅の信頼を置いていました。

奥野さんが何をしても信頼し、否定しない田中社長。
社員にお金のことを聞かれたら、奥野さんがいいと言ったらいいよ。と判断を一任する。

会社がピンチの中で、奥野さんを全面的に信頼して、否定しない。
人を否定するのは、自分が弱いときにやりがち。
心の強さが滲み出ているエピソードでした。


長くなったので、次記事へ続きます。
以降はリーダーとしてのマネジメントについてです。

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語